糸田川沿いを歩くと、季節ごとに表情を変える琉球朝顔の風景に心を奪われる。特に朝の光が差し込む時間帯は、花びらがほんのりと透けて見え、まるで自然が描いた水彩画のようだ。春になると、川沿いの緑が一斉に芽吹き始め、それに呼応するかのように琉球朝顔もつるを伸ばし始める。まだ花は咲いていないけれど、つややかな葉が風に揺れる様子は、これから始まる季節のドラマを予感させてくれる。
やがて初夏が訪れると、琉球朝顔は本領を発揮する。紫がかった青の花が次々と咲き、川沿いの遊歩道を彩る。朝の涼しい時間帯に歩くと、花たちが一斉にこちらを向いて微笑んでいるようで、思わず足を止めて見入ってしまう。しかもこの琉球朝顔、普通の朝顔と違って昼を過ぎても花がしぼまない。午後になってもその鮮やかさを保っているから、散歩の時間を選ばずに楽しめるのが嬉しい。

夏の盛りには、緑の葉と青紫の花が川の両岸を覆い尽くすようになる。水面に映るその姿は、まるで別世界のようで、暑さを忘れさせてくれる。時折吹く風が花を揺らし、水面に波紋を描く様子は、まさに自然のアート。近所の人たちが立ち話をする声が聞こえてくると、この風景が地域の人々にとってどれだけ大切なものかが伝わってくる。

そして秋が深まるにつれて、琉球朝顔の色合いも少しずつ変化していく。夏の鮮やかさから、どこか落ち着いたトーンへと移り変わり、紅葉した木々とのコントラストがまた美しい。朝晩の冷え込みが強くなると、花の数も少しずつ減っていくけれど、その分一輪一輪の存在感が増してくる。まるで「また来年ね」と語りかけてくるようで、少し切ない気持ちにもなる。

冬になると、さすがに花は姿を消すけれど、琉球朝顔が残したつるや葉の跡が、そこに確かに季節があったことを教えてくれる。そしてまた春が来れば、あの鮮やかな風景が戻ってくる。糸田川沿いの琉球朝顔は、ただの植物ではなく、季節の移ろいを感じさせてくれる大切な存在だ。何気ない日常の中に、こんなにも美しい瞬間があることを教えてくれる場所、それが糸田川なのだ。

