中庭に咲く山茶花の花がもたらす季節の移ろい
中庭に咲く山茶花の花を見るたびに、季節の移ろいを肌で感じる。朝、カーテンを開けた瞬間に目に飛び込んでくるその鮮やかなピンクや白の花びらは、まるで冬の訪れをそっと告げてくれているようだ。山茶花は、他の花が枯れ始める晩秋から冬にかけて咲き始めるため、庭の景色が少し寂しくなってきた頃に、ふとした彩りを添えてくれる存在だ。
特に寒さが増してくる11月の終わり頃、木々の葉が落ちて枝だけになった中庭に、山茶花の花がぽつぽつと咲き始めると、なんとも言えない安心感がある。まるで「まだ終わりじゃないよ」と語りかけてくるようで、冬の冷たさの中にも温もりを感じさせてくれるのだ。しかも、山茶花は一斉に咲くのではなく、少しずつ、ゆっくりと花を開いていく。そのため、毎日少しずつ変わっていく庭の表情を楽しむことができる。

また、山茶花の花びらが地面に落ちる様子も、どこか風情があって好きだ。椿と違って、山茶花は花びらが一枚ずつはらはらと落ちていく。その様子は、まるで時間が静かに流れていることを教えてくれているようで、忙しい日常の中でもふと立ち止まって深呼吸したくなる瞬間を与えてくれる。落ちた花びらが地面に広がって、まるで自然が描いた絨毯のようになるのもまた美しい。

さらに、山茶花の存在は、季節の変化だけでなく、日々の暮らしにも小さな喜びをもたらしてくれる。たとえば、朝のコーヒーを飲みながら窓越しにその花を眺める時間は、何気ないけれどとても贅沢なひとときだ。寒い季節だからこそ、こうした小さな美しさに心が動かされるのかもしれない。

そして、山茶花が咲き終わる頃には、春の兆しが少しずつ見えてくる。梅のつぼみが膨らみ始めたり、日差しが少し柔らかくなったりと、自然は次の季節への準備を始めている。そう考えると、山茶花は冬の始まりを告げるだけでなく、春への橋渡しのような存在でもあるのだ。
このように、中庭に咲く山茶花の花は、ただ美しいだけでなく、季節の流れや日々の心の動きにそっと寄り添ってくれる。だからこそ、毎年この花が咲くのを心待ちにしてしまうのだ。

