晩夏の風が少しずつ秋の気配を運んでくる頃、ふと庭先や公園の片隅でコデマリが咲いているのを見かけることがあります。春の花というイメージが強いコデマリですが、実は品種や育て方によっては晩夏にもその可憐な姿を見せてくれるんです。小さな白い花が手まりのように集まって咲く様子は、どこか涼しげで、暑さに疲れた心をそっと癒してくれるような存在です。
コデマリはバラ科の落葉低木で、一般的には4月から5月にかけて開花します。ただし、剪定のタイミングや日当たり、気温の影響によっては、夏の終わりに再び花を咲かせることもあります。特に、春の開花後に軽く剪定をしておくと、新しい枝が伸びて、そこに花芽がつくことがあるんです。もちろん、すべての株が晩夏に咲くわけではありませんが、ちょっとした工夫で二度楽しめるのは嬉しいポイントですよね。

育て方としては、まず日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。半日陰でも育ちますが、花つきがやや悪くなることがあります。また、水はけの良い土を好むので、鉢植えの場合は底に軽石を敷いたり、土に腐葉土を混ぜたりするといいですよ。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本。ただし、過湿には弱いので、梅雨時期などは注意が必要です。
肥料は春先と花後に緩効性のものを与えると、元気に育ってくれます。特に花後の肥料は、次の花芽をつけるためのエネルギーになるので忘れずに。剪定は、花が終わった直後に行うのがベスト。あまり遅くなると、翌年の花芽を切ってしまうことになるので気をつけましょう。
晩夏に咲くコデマリは、春とはまた違った趣があります。夏の強い日差しを乗り越えて咲くその姿には、どこかたくましさと優しさが同居しているように感じられます。そして、季節の移ろいを静かに告げるようなその佇まいは、見る人の心にそっと寄り添ってくれるのです。もし庭やベランダにスペースがあるなら、ぜひコデマリを育ててみてください。春と晩夏、二度の花を楽しめるかもしれませんし、何よりその可憐な姿に癒されること間違いなしです。

